ガイド記事

増えすぎたスキルを減らす|実測すると「古い」「重複」は効きません

整理の話は「古いものを消す」「重複を消す」から始まりがちです。収録 470 件を実測すると、アーカイブ済みは 0 件、コードレビューのスキルは 4 件しかありません。効く基準は別にありました。

エージェントスキル研究所編集部

この記事の内容(8 項目)

まず結論

アーカイブ済みのリポジトリのスキル
0 件
コードレビューを扱うスキル
4 件
説明文の中央値(常に載る)
373 文字
35 リポジトリに集まっている割合
87%

整理の話でよく出る基準を、収録 470 件の実データに当ててみました。2026年9月19日時点の実測です。

よく言われる基準実測効くか
古い・放置されたものを消すアーカイブ済み 0 件、180 日以上更新なし 2 件ほぼ効かない
重複しているものを消すコードレビュー 4 件、コミットメッセージ 2 件あまり効かない
重いものを外す本文の中央値 7,922 バイト、最大 235,809 バイト効く
発動が広すぎるものを絞る説明文の中央値 373 文字、最長 1,068 文字効く
公開元単位で入れたものを工程単位に絞る470 件のうち 411 件(87%)が 35 リポジトリ最も効く

理由はスキルを入れすぎて重くなる仕組みに書いています。

「古いから消す」が効かない理由

上位 500 件は、ほぼ全部が現役

上位 500 件に入っているスキルは、ほぼ全部が現役です。

見たもの件数
リポジトリがアーカイブ済み0
365 日以上 push が無い0
180 日以上 push が無い2
7 日以内に push されたリポジトリのスキル290 件(62%)

最終更新日で並べても、ほとんど差が付きません。

日付がリポジトリ単位で揃う

実際に push された日を数えると、2026-09-17 に 155 件、09-18 に 65 件が集まっています。大きなリポジトリが 1 回更新されると、その中のスキルが全部同じ日付になるためです。

当サイトの実用度スコアの「保守性」の軸も、同じ理由でほとんど差が付きません。限界として指標の意味と限界に明記しています。

「重複しているから消す」もあまり効かない

これは意外でした。同じ作業を扱うスキルは、思ったほど多くありません。

作業ごとの件数

収録 470 件の名前と説明文を機械的に検索した結果です。

作業件数公開元の数
コードレビュー43
コミットメッセージ22
テストの作成・実行32
git の操作44
PDF の操作54
スキルを作る63
SEO134
スライド作成137
デバッグ3520

コードレビューが 4 件、コミットメッセージが 2 件。「同じことをするスキルが 10 個ある」という状態には、そもそもなりません。

「デバッグ」の 35 件は言葉の一致

多いのは「デバッグ」の 35 件ですが、これは言葉の一致です。Azure の障害調査と React の不具合調査は、同じ語を使っていても別の作業です。

本当に重複しているなら消してよいのですが、そこを探しても大した削減にはならないというのが実測の結論です。

効くのは「重さ」

減らす価値があるのは、文脈を食っているものです。かかるコストが 2 種類に分かれます。

説明文

常に。入れた全件ぶん載る。実測の中央値は 373 文字

入れている件数が多いほど効く

本文

発動したとき、丸ごと読み込まれる。実測の中央値は 7,922 バイト

厚いスキルが発動するたびに効く

本文の裾は極端に長い

本文の分布は裾が極端に長く、90% 点で 23,321 バイト、最大は 235,809 バイトです。

32KB を超えるものが 17 件あり、その合計は 1,006,794 バイト。この 17 件が意図せず発動するのが、一番もったいない消費です。

厚いスキルは「入れない」のではなく、それを使う会話でだけ入れるのが現実的です。

最も効くのは「公開元単位で入れたものを絞る」

これが実測でいちばん大きい要素です。

収録 470 件のうち 411 件(87%)が、35 リポジトリに入っています。

npx skills add は 1 件ずつ入れられますが、まとめて入れると全部の説明文が常時載ります。

同じ件数でも重さが違う

リポジトリ件数説明文の合計1 件あたり
coreyhaines31/marketingskills4329,415 文字684 文字
prime-skills/runcomfy-agent-skills3023,115 文字771 文字
microsoft/azure-skills2816,063 文字574 文字
heygen-com/hyperframes2614,164 文字545 文字
mattpocock/skills355,269 文字150 文字
googleworkspace/cli15684 文字46 文字

同じ件数でも重さが 5〜15 倍違います。

coreyhaines31/marketingskills の 43 件を全部入れると、説明文だけで常時 29,415 文字が載ります(文章・マーケティングのスキル 52 件)。

工程単位に絞る

解説は copywriting と copy-editing にあります。

残すものを選ぶ手がかり

消す側ではなく残す側の判断材料です。公開元が手をかけた合図を機械的に数えられます。

合図件数割合
ライセンスが識別できる40386%
Codex 向け設定を同梱(agents/openai.yaml)7015%
allowed-tools で道具を宣言6414%
評価を同梱(evals/evals.json)5211%
どの合図も無い29663%

効くのは allowed-tools と評価の同梱

allowed-tools と評価の同梱が効きます。

  • allowed-toolsこのスキルを呼んだ回に確認なしで使える道具を名指ししている。道具を絞る設定ではないが、何を使うつもりかが frontmatter だけで分かる
  • 評価の同梱依頼文と期待する出力の組が入っている。公開元が自分のスキルを試した証拠

当サイトは詳細ページにこの 2 つを出しています。「評価の同梱あり」のチップがあるスキルは、その規律を通しています。

合図が無いから質が低い、ではない

ただし「合図が無いから質が低い」ではありません。 63% がどれも持っていません。同じ用途のスキルで迷ったときの決め手として使ってください。

減らす手順

  1. 入れているスキルを数える.claude/skills と .agents/skills を見る
  2. 公開元単位で入れたものを工程単位に絞るここで一番減ります
  3. 本文が 32KB を超えるものを外す使う会話で入れ直す
  4. 説明文が広すぎるものを絞る打ちそうな言葉を大量に並べているものは、関係のない依頼でも引っかかります
  5. 迷ったら合図で決めるallowed-tools か評価の同梱があるほうを残す
  6. 説明文は削らない削ると呼ばれなくなり、文脈を消費したまま効果がゼロになります

よくある質問

何件まで減らせばいいですか

件数では決まりません。説明文の合計と本文の厚さで決まります。

実測では googleworkspace/cli の 15 件(合計 684 文字)と coreyhaines31/marketingskills の 43 件(29,415 文字)で 43 倍の差があります。

目安を 1 つ出すなら、入れているスキルの説明文の合計を把握することです。

使っていないスキルはどう見つけますか

残念ながら、機械的には分かりません。エージェントがどのスキルを発動したかの記録は、実行環境によります。

現実的なのは逆からの判断です。「この 1 か月で、このスキルを意図して使ったか」を自分に聞いてください。思い出せないものは、そのとき入れ直せば足ります。

古いスキルを気にしなくていいのですか

上位 500 件の中では、ほぼ気にしなくてよいです。アーカイブ済みが 0 件、180 日以上更新が無いものが 2 件でした。

ただし上位 500 件の外は別です。当サイトが収録していない範囲では、放置されたスキルは普通にあります。入れる前の確認はスキルを入れる前に確認することにまとめています。

重複を探す意味は本当に無いのですか

探して見つかれば消してよいのですが、実測では数件しかありません。

意味があるのは同じ公開元の中です。mattpocock/skills の grill-me と grill-with-docs は「記録を残すか残さないか」だけが違います(ask-matt が体系を説明しています)。片方しか使わないなら、もう片方は外せます。

消したスキルはどうやって戻しますか

npx skills add で入れ直すだけです。削除は不可逆ではありません。外すときは npx skills remove <スキル名> が使えます(vercel-labs/skills の README、2026-10-09 確認)。

だから迷ったら消してよいというのが正直な結論です。設定を書き換えたスキル(.agents/*.md を作るもの)は、そのファイルが残るので影響を確かめてください(社内でスキルを配布する方法)。

この数字はどうやって数えましたか

当サイトが GitHub から取得して保存している 470 件の SKILL.md と、その同梱ファイルの一覧を機械的に読みました。2026年9月19日時点です。

  • 「同じ作業」の件数は、名前と説明文に対する語の一致です。言葉が一致しても別の作業であることがあります(「デバッグ」の 35 件)
  • 更新の止まりはリポジトリの最終 push 日です。スキル単位ではありません
  • 合図は同梱ファイルの位置の完全一致(agents/openai.yaml、evals/evals.json)と、frontmatter の allowed-tools の有無です

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